6 19, 2014

Dirty Lines

Room #5 Video Room おすすめ残雪動画2014 by 稲葉直幸 春、雪解けとともに露わになる世界がある。 山肌に張りつく雪にギリギリ滑走可能なラインを見つけてムリヤリ滑る。ラインは雪上とは限らない。小奇麗なテクニックは不要。想像力と胆力が試される。これもまたフリースキーのひとつの形。 春、ハイシーズンでは味わえない卑猥なラインがスキーヤーを誘惑する。Welcome to Dirty Lines. Season Ender - Candide Thovex and Aziz Benkrich パーク、BCジブ、ビッグマウンテン、フィルミング。フリースキーのあらゆる分野でトップへの道を登りつめたキャンディッド・トーベックスの今季ラストラン。 残雪のスキー場でも我が道を切り拓く。ベクトルはボトムの方だけどね。 Alex epic spring skiing in Åre 絶壁の急斜面と対峙しなくとも、前人未到の地に足を踏み入れなくとも創造力はどこでも発揮できる。 当たり前だけど、つい忘れがちなこの原則。「創造」や「進化」という言葉に踊らされる常識人には絶対にこのラインは見つけられない。 Dirty Lines Revisited: Part I 「谷の向こうを見上げると、やせ細った雪がカスケード山脈の岩と低木の茂みの間を縫うように張り付いている。ひとりごちた。『卑猥に行くぜ。超絶にエロく・・・』」 Skiing 4 days in Åre 魔の山Bec Des Rossesで勝ったFWT戦士の休日  Red Dog Low Tide スコット・ガフニー、スコーのラストランをティミーに捧ぐ。 Cute 75 BN May 31 2014 残雪シュートをスッ裸でスライディング! 雪解けで露わになるのは地表だけでない。地肌もまた・・・ 稲葉 直幸/medium@Naoyuki_Inaba 今シーズンの残雪スキーはゼロ日。理由はNO "NO SNOW, NO LIFE." WHITE ROOMのテキストは クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。   Room #5 コンテンツ一覧… Read more

6 19, 2014

GoPro 小さなカメラの大きな野望

Room #5 Culture 1億ドル調達のIPOで狙うSNS時代のメディア帝国の座 by 稲葉直幸 アクションカメラメーカーのGoPro社は5月19日、新規株式公開にむけて米証券取引委員会に上場申請書を提出した。ナスダック市場から最大1億ドルを調達する計画だという。 ホットなアクションカメラ市場 GoProの売上高は2011年2億3423万ドルから2012年の5億2601万ドル、2013年には9億8573万ドルへと急成長している。しかし直近の数字には陰りが見え始め、今期の売上は前年同期の2億5505万ドルからわずかに減り2億3571万ドル、利益も2013年第1四半期の2303万ドルから1104万ドルに減少した(TECHCRUNCH JAPAN)。 その主な理由は2012年に投入予定の新モデルが2013年に延期され、昨年の売上が大幅に増えたためとされる。ライバルメーカーの激しい追い上げもある。ソニーやパナソニックなど家電メーカーだけでなく、シマノやガーミンといったアウトドアスポーツのメーカーもこぞってアクションカメラ市場に参入している。 昨年のGoProのマーケットシェアは77%(調査会社NPD調べ)とトップの地位は揺るぎないが、今後も独占できる保証はない。GoPro社も「近年の売上の伸びは将来の成長を約束するものではない」(TECHCRUNCH JAPAN)とリスクファクターに言及する。 金を生むGoPro動画 こうした背景から米国デジタルメディアのEngadgetは上場の真の目的を「メディア帝国を築くことにある」という。実際、編集ソフトGoPro Studio経由でGoPro社のサイトに毎日2万本、YouTubeには6000本の動画がGoProユーザーによって日々アップロードされている(TECHCRUNCH JAPAN)。 また2014年1月〜3月期のYoutubeのブランドチャンネルランキングでは、PlayStationやワーナー・ブラザースを抑えてGoProが首位に輝いた。チャンネル内の動画の総再生回数は4億5300万回以上にのぼる。アクションスポーツはゲームや映画と並んでウェブのキラーコンテンツなのだ。 冒頭に「Be a HERO」のキャッチコピーが挿入されたGoProチャンネル内の動画は、カメラだけでなくアスリートにとっても格好のプロモーションになっている。5月中旬までにGoProアスリートが製作したYouTube動画388本の再生回数はどれも5千万回を突破しただけでなく、アスリート側に延べ数十万ドルの金が渡ったという(Engadget)。ソーシャルメディアの発達でバイラル動画が生まれやすくなり、マネタイズできる仕組みも整ってきた。 アスリートサミットの狙い 今年1月、ゲーム機器Xboxに映像コンテンツの提供を始めたGoPro社は豊富なコンテンツを活用するメディア事業に本格的に乗り出している。良質なコンテンツづくりの課題に同社は独自のアプローチで解決を図る。 IPO申請の公表の直前にハワイでアスリートサミットを開き、アクションスポーツ界のトップアスリート100名を相手にクリエイター育成のブートキャンプを実施したのもその一環だ。カメラの使い方から映像編集、アップロードする時間帯まで細かに講義する。GoPro社にとってコンテンツの充実、アスリートには収入源となる。 あるスキーベースジャンパーは「GoProなしでは生活は成り立たない」(Engadget)という。ニッチなジャンルでもプロ活動できる大きな可能性が400ドルの小さな筐体の中に詰まっている。 アクションスポーツメディアRed Bullとの違い アスリートサミットにも参加したクリス・ベンチェトラーやタナー・ホール、トム・ウォリッシュらトップスキーヤーの動画に代表されるように、GoProのコンテンツの多くは撮影者のアクションやハプニングの記録でしかない。 ストーリーは排除されているが、映像自体が撮影者視点のドキュメンタリーであり、どの動画にも驚きと発見がある。こうした数十秒から数分の娯楽として消費されるコンテンツビジネスでGoProは新たなメディア帝国を築こうとしているようだ。 アクションスポーツ界における新興メディア帝国の座にはRed Bullが先に名乗りを上げている。ただしGoProと同じアドレナリン動画でもRed Bullのコンテンツは高品質で長大。シェアを前提としていないビジネスモデルはテレビ業界に属する(Youtubeのトップ10ブランドチャンネルにも入って… Read more

6 19, 2014

エイプリルフールにはダマされないゾ!の巻

Room #5 Chain's Rule レッド風呂でビバノンノン! by チェーン・マッキー 梅雨入りしたけどスキーバカのみんな、元気ぃ? オイラは年中かぶってるヘルメットの青カビに超ブルーだったけど、ファレルさんの『ハッピー』でスロバキアにヘルメット仲間めっけて超ハッピー! 今回はエイプリルフールの話しでいくから。空気だけじゃなく季節も読めって?オイラのせいじゃねーよ。データがぶっ飛んだiPodタッチ(ツウはアイフォンより断然コッチ!)が悪いんよ。最後にバックアップしたのは4月だったもんで、エイプリルフールのネタが出てきたってわけ。バックアップをサボってたオイラがフールだって?まーね。 でもさ1mのコーヒーテーブルから落ちたくらいで逝くなんて根性なさすぎ。GoProなんて10mのテーブルトップから落ちてもヘーキ。なんなら100mのリッジトップからでもヘーゼンと録画するゼ。 そのGoProがエナジードリンクSTOKEDを新発売するっていうじゃん。味の方は「ウィングスーツで飛びたくなる気分」「唇が上下でハイファイブする」だってさ。分かるわ〜。化学調味料たっぷりの中華料理食べたときのあのゾクゾク感でしょ。 さっそくツイート。 「GoProストーク!いっぱぁっつー!」 「リポDとチェリーコークを足して養命酒を3で割りきれない味」 まだ飲んでないけど・・・どーせアタマ悪ぃ味でしょ。 さっそくリツイートきた。 「ドクターペッパーとどっちがマズい? RT_」 ペッパー、ウマくね? 「デマ流すな。ココストアの店員にそんなもんないって言われたぞ RT_」 セブンイレブン行けよ! 「チェーンさん、引っかかりましたね。今日は4月1日ですよー RT_」 あちゃー。エイプリルフールかよー。クソー!ソニーに浮気してやる! てっきりIPOで巻き上げた金を使ってレッドブルと卑猥動画でガチ勝負するんかと・・・ なにっ。そのレッドブルが入浴剤を発売するだと。その名も「Red Bullo エナジーオフロ」だと。打倒花王のバブ? とりあえずツイート。 「レッド風呂いい湯だなアハハン♡」 「ランニング後に使ってみたよ〜。気分ビバノンノンで追加5キロ走ってくるわ〜」 とりあえずリツイートきた。 「残り湯は飲めるの? RT_」 お前さんはおびなたの湯の残り湯も飲むんか? 「デマ流すな。ココストアの店員にそんなもんないって言われたぞ RT_」 だからセブンイレブン行けよ! 「チェーンさん、ですから今日は4月1日ですって RT_」 わちゃー。翼もがれたイカロスの気分わかるわー。 つうか、海に堕ちたイカロスってどーなったん?パラシュートなしでイタリアの湖に着水した胸毛シェーブローションのウィングスーツの兄ちゃんみたいにセーフティランディングきめたんか? フェイク映像だからね。4月1日じゃなくても気抜くなよ。 なぬっ。新型バックカントリーヘルメットのエアロスがあればイカロスは大丈夫だって? 格納式ネックブレースが首の骨を守るだと。雪崩に流されても内蔵カートリッジが酸素を25分も送るだと。さすが科学忍者隊ガッチャマン御用達! IOCは次の韓国オリンピックで採用したらいいんじゃね。ソチでテロリストの次にヤバいって名指しされたスロープスタイルでさ。ビッグエアのジャンプ台で雪崩が起きた時の備えだって言えば役員連中は信じるって。開会式でビキニのKARAが被ればみんなハッピーで嫌韓モードは消えるって。 はい以上。もうエイプリルフールには引っかからないゾ!どうせ007のエスケープポッドのパクり、じゃなくてインスパイアものなんでしょ。ネタにしてはよく仕込んでるよな。GoProエナジードリンクやレッド風呂なんていかにも4月バカっぽくて誰も騙されないのと違ってさ。 編集者注:チェーンさんは信じてませんが、エアロスはエイプリルフールではなく開発を前提に工業デザイナーのクリスチーナさんが考案したコンセプトモデルです。 チェーン・マッキー プロフェッショナル・ダミー。「イタいヤツっていわれるけどスィートなほめ言葉やね。ニッポンのPain McSchlonkeyって呼んでくれぃ!」 WHITE ROOMのテキストは クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。   Room #5 コンテンツ一覧… Read more

6 19, 2014

ティミー・ダットン 1987-2014

Room #5 R.I.P. みなに愛されたスコーバレーの人気者 by 稲葉直幸 4月30日、米国プロスキーヤーのティミー・ダットンがスカイダイビング中の事故で亡くなった。事故の数日前にはホームエリアのスコーバレーでPoor Boyz Productionsと初めての撮影を終え、これからの活躍が期待された27才だった。 事故の第一報を報じるニュースサイトによると、ダットンは友人とカリフォルニア州にあるパラシュートセンターの飛行機からとび降りた後、空中でパートナーと激突。相手の脚部に頭部をぶつけたダットンは意識を失い、そのまま墜落したとされる。パラシュートが開いた痕跡はなく、自動開傘装置は装着していなかった。ウイングスーツ中の事故という情報もあるが、現時点では詳細は不明。 ティミー・バックフリップの愛称で親しまれたダットンはメディアへの露出こそ多くないが、若くして才能を開花したアスリートだった。2009年初めて参戦したFreeski World Tour(12/13シーズンからFreeride World Tourと統合)のカークウッド大会で優勝すると、続いてアリエスカでも表彰台の真ん中に立ち総合チャンピオンとなった。Freeride World Tourの出場権を手に入れた翌年のシャモニー大会では3位、総合では6位にランクインしている。 華やかなデビューの陰で10代の頃、薬物依存症に苦しんだ過去をもつ。薬物を完全に断ち切れたのはスキーがあったからとダットンの友人たちはPowderの追悼記事で語っている。スキーのラッシュ(快楽)は自分の人生を取り戻す一助になったのかもしれない。 近年は同じスコーバレーのJT.ホームズのもとでウイングスーツの経験を積んでいた。ベースジャンプの基礎を我慢強く学び、笑顔を忘れなかったダットンはメンターのホームズにも影響を与えた。「2009年3月26日を境に自然と衰えていったスキーベースジャンプへの情熱をティミーは呼び起こしてくれた」。故シェーン・マッコンキーに師事したホームズは事故前のESPNのインタビューで答えている。今季からビッグマウンテン・コンテストのシーンから退き、新たなキャリアを着実に積んでいた矢先の事故だった。 ハリウッドの新作ゴジラ『Godzilla』(日本公開は7月25日)の撮影でJT.ホームズとスタント出演した時のショット。 ダットンのバックフリップに憧れた幼なじみのミシェル・パーカーはFreeskierに寄稿した追悼文(翻訳)の中で、あるパウダーデイの思い出を語っている。ダットンはその日スキー場に行かず裏庭につくった即席のジャンプ台でパーカーにバックフリップを教えたという。ふたりは子ども時代に戻ったように丸一日バックフリップを繰り返した。スコーのシーズンベスト級のパウダーランを見逃したことにダットンは意に介さず、「これがやりたかったことだから」と無邪気に答えたとパーカーは振り返る。 はたから見たらダットンは人生を生き急いだ(ラッシュ)ように見える。でもパーカーが言うように「一瞬のなかに生命の火花を散らす」者にとって、27年は短くないのかもしれない。 稲葉 直幸/medium@Naoyuki_Inaba 今シーズンの残雪スキーはゼロ日。理由はNO "NO SNOW, NO LIFE." WHITE ROOMのテキストは クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。   Room #5 コンテンツ一覧… Read more

6 19, 2014

リスキーの烙印を押されたソチ五輪スロープスタイル

Room #5 Words IOC役員がオリンピックにふさわしくないと苦言 by 稲葉直幸 "To me it was unacceptably high, absolutely ... very, very, very high," ラース・インゲブレツェン(IOC役員) 今年2月オリンピックデビューしたスロープスタイル競技。早くも正式種目から除外検討を求める声がでてきた。背景にはソチでの受傷率、それも「容認しがたい高さ」にある。 国際オリンピック委員会(IOC)の医療科学部門責任者ラース・インゲブレツェン氏がAP通信に語ったところによると、スキー/スノーボードのスロープスタイル競技の受傷率は「ソチオリンピックで行われたどの競技よりもずっと高かった」という。正確な受傷率は公表されていないが「数値の高さは私には容認しがたい極めて高いものだ」と同氏は不快感をあらわにし、「オリンピックにふさわしいスポーツといえるものではない」と苦言を呈す。 過去4回の夏冬季大会の受傷率をモニターしてきたインゲブレツェン氏だが、正式種目除外の決定はIOC理事会で行われるため当人にその決定権はない。その理事会にしても若者層へのアピールのために2018年韓国・平昌オリンピックの正式種目から外す意向はないようだ。 とはいえ、ソチと同じ事態が続けばオリンピックの舞台からスロープスタイルが消えてもおかしくない。「私見だが、このままスロープスタイルが現在の形であってはならない。でなければ正式種目にすべきでない」というインゲブレツェン氏の言葉はけっして大げさではない。 練習中の転倒で左手首を痛めたトップスノーボーダーのショーン・ホワイトは予選を棄権した。コースは危険すぎると考え、得意のハーフパイプに専念するためである。懐疑的な意見も出たが、ホワイトの正しさはケガ人続出という形で証明された。 スノーボード男子では、メダルが期待されたトースタイン・ホーグモ(ノルウェー)が鎖骨骨折、アドリアン・クライナー(オーストリア)は顎と踵を怪我して棄権を余儀なくされた。スキー女子ではマギー・ヴォワザン(米国)が練習中に足首骨折、決勝ランではユキ・ツボタ(カナダ)が軽い脳震盪を起こすほどの激しい転倒でほお骨を折る怪我をした。 非難の矛先が巨大なジャンプ台に集まる中、プロスキーヤーのグレテ・エリアッセン(X Gamesスロープスタイルとハーフパイプ金メダリスト)は単純にサイズの問題ではなく形が重要だという。「適切な形のジャンプ台をつくれば怪我は避けられるわ。それに立派なショーのために大きなジャンプ台が必要とは限らない。ソチではコースづくりのときにあるべき形からそれてしまったんじゃないかしら」(Skiing) 「容認しがたい高さ」の受傷率の検証後に何らかの対策が必要になるとしても、コースデザインやトリックの自由度を制限するレギュレーションを強化すれば競技の醍醐味は失われる。受傷率といっしょに競技人口も減りつづけ、2022年のオリンピックまでにはスロープスタイル競技自体がシーンから消えてるなんて事態になってるかも。 もっともIOCとしては心配のタネが消えて、次の金になるネタを探せば良いだけのこと。なんて書いていたら、米国スキー・スノーボード協会は6月バルセロナで開かれるFISの会議でさっそくビッグエアのオリンピック正式種目を提案するようだ。 稲葉 直幸/medium@Naoyuki_Inaba 今シーズンの残雪スキーはゼロ日。理由はNO "NO SNOW, NO LIFE." WHITE ROOMのテキストは クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。   Room #5 コンテンツ一覧… Read more

6 19, 2014

Kickstarter発スキームービー『SNOWMAN』

Room #5 Ski Movies マイク・ダグラスがクラウドファンディングで資金調達 by 稲葉直幸 昨年100エピソードを達成したSalomon Freeski TV。7シーズン続くこの人気ウェビソードに多くの作品を提供してきたマイク・ダグラス(スイッチバック・エンターテイメント代表)。近年は『The Freedom Chair』(2011)や『Tempting Fear』(2012)、『Legend Scot Schmidt』(2014)など人物に軸を置いた短編をプロデュースし、ストーリーテラーとしても評価を高めている。 2月ウェブで公開された『Super Mom』は現役を退き二児の母となったウェンディ・フィッシャーにスポットを当てた異色のエピソードだが、MSPの『SKI MOVIE』トリロジーのファンはもちろん、過去を振り返る瞬間を持つ者なら誰もが共感できる傑作だった。 スキーヤーとしても現役で活躍しながらフィルムメーカーのキャリアを着実に歩むフリースキー界の「ゴッドファーザー」が次に挑戦するプロジェクトは、幼なじみの雪崩コンサルタント、ケビン・フォグリンの半生を描くドキュメンタリー『SNOWMAN』。 自身初となる長編の完成を目指し、ダグラスは製作費をクラウドファンディングのKickstarterで集めている。目標金額は50,000カナダドル(CAD)。期日は日本時間の6月23日午前3時1分までとなっている。 今秋公開に向けて製作はすでに撮影後の作業に入っており、Kickstarterの資金は音響効果や音楽、色調調整、アートワーク、販促品、サポート映像の購入などに充てられる。その他に保険や「映画を作り始めるときには考えたこともなかったような諸経費」のためにお金が必要だとダグラスは説明する。 このキャンペーンには日本からも参加できる。アカウント作成後、希望の金額を選択し支払い手続きに入ればよい(プロジェクトが成立するまでクレジットカードに請求されることはない)。投資額に応じて受け取る商品や特典が異なる。 デジタルダウンロードは$20CAD、サイン入りDVD付きの場合は$35CAD(別途送料$7CAD)。ダグラス本人とウィスラー・ブラッコムを一緒に滑る権利($2,000CAD)付きのドリームパックも用意されている。 『SNOWMAN』に限らず、Kickstarterで出資を募るスキー関連の映像作品は少なくない。2012年だけでも『LymeLight』『Snow Guardians』『United We Ski』といったプロジェクトが資金を調達し、無事に作品をリリースしている。題材は様々で、トップアスリートによるハンセン病啓発やスキーパトロールの仕事と誇り、ローカルスキー場の価値再発見といった明確なテーマをもつドキュメンタリーが多い。 ドキュメンタリー作品にはスポンサーからお金が集まりにくいという事情もあるが、製作費を募るだけがクラウドファンディングの目的ではない。キャンペーンを通じて公開前にプロモーションやファンを獲得できる。ダクラスはたとえ十分な資金が集まらなくても『SNOWMAN』を完成させると約束したうえで、「頭の中にある最終ビジョンを実現し、製作価値の高い作品をつくるため」に支援してほしいとファンやスキーヤーに訴える。 そもそもダグラスはなぜクラウドファンディングの手段を選んだのか。本作は雪崩コントロール中に起きたフォグリンのヘリコプター墜落事故を中心に山のリスクと魂の救済、友情と家族、夢と挫折といったテーマを織り交ぜた物語だという。ドラマチックだが題材は極めてパーソナルなものだ。 ダグラスのクライアント(サロモンやウィスラー・ブラッコム)が望むような作品とはかけ離れている。クラウドファンディングならスキーコミュニティに作品の価値を直接問うことができる。 お金だけの問題ではない。ヘリコプター墜落事故をきっかけに「親友の二人は少年時代の夢の実現に向けて動き出す」とダグラスはフォグリンのために、そして忘れかけていた夢を叶えるために『SNOWMAN』を作ろうとしている。 夢の中身については語られていない。あるいは夢が実現した先に何が待っているのか知る由もない。けれども投資とは他人の夢をシェアするようなもの。期待したリターンが得られなくても「ゴッドファーザー」への恩返しと思えばいいんじゃないかな。 稲葉 直幸/medium@Naoyuki_Inaba 今シーズンの残雪スキーはゼロ日。理由はNO "NO SNOW, NO LIFE." WHITE ROOMのテキストは … Read more